<設立の経緯>
2006年11月10日、日本学術会館にて日本学術会議社会学委員会(委員長=今田高俊東工大教授)の呼びかけのもと「日本学術会議社会学系学協会懇談会」が開催されました。
出席者は、日本学術会議社会学委員会から5名、学協会の代表16名でした。
この会合では、社会学委員会より以下のような問題提起がなされました。
現在、学協会間での連携・交流が少ない。他方、住民基本台帳閲覧制度見直しやジェンダーなどの複合分野の登場など、複数の学協会が協同して対応すべき諸事項・諸問題が出てきている。こうした諸案件に対応するため、学協会間の横断的な連絡組織を形成することが望ましいのではないか。
この提案を受け審議が行われ、社会学系学協会を基盤にして「社会学系コンソーシアム」を設立することが決定されました。
その他、社会学系コンソーシアム幹事団体を日本社会学会、地域社会学会、数理社会学会とすること(この時点では候補、後に各学協会理事会の承認を経て正式確定) が決定されました。また幹事団体を中心に、連絡体制の形成、定例会議の開催、財政計画、コンソーシアム設立趣意書・規約作成、事務局設置など、コンソーシアムの運営と組織化に向けて作業をすることが話し合われました。
2007年3月、コンソーシアム事務局(当時仮称、2007年8月に正式成立) はコンソーシアムメーリングリストの作成を手始めとして基盤整備作業に着手しました。
2007年4月、コンソーシアムを設立することが正式に決定されました。
2007年6月、日本学術会議社会学委員会有志と社会学系コンソーシアム幹事が会合を持ち、コンソーシアムの活動指針と今後の具体的活動内容について意見交換が行なわれました。その中で、事務局の設置、活動資金の検討、日本の社会学を海外に紹介する媒体( 仮称=Annual Report)の作成、参加学協会に対して定期的に配布するNews Letterの作成、将来コンソーシアムを学術協力団体連合体として登録することなどの提案がなされました。
2007年8月、コンソーシアム幹事による会合が行われました。協議の結果、2007年度は以下の諸点について活動を進めることとなりました。
・専用メーリングリストの充実
・事務局の設置
・運営予算作成と参加学協会への負担依頼
・News Letter第一号の作成・配布(参加学協会紹介を含む)
・Home Pageの作成準備
・設立趣意書草稿作成、その他学術団体連合体として登録するための準備
<News Letter第一号 巻頭言(2008年2月発行)>
「社会学系コンソーシアム」のアイデアと構想が共有されたのは2006年11月にさかのぼります。 広く社会学領域で活動する社会学系諸学術団体がゆるやかな連合体としてひとつになり、さまざまな問題に対処し、また新しい学問展開の可能性を追求するという提案に私たちは興奮を覚えました。
それ以来、学問・学術団体を取り巻く環境はどのようなものか、またそれぞれが抱える問題は何か、将来必要な事柄は何かなどを検討しながら、コンソーシアムが取り組むべき課題を描き出してきました。
長い準備期間を経て2008年4月から、社会学系コンソーシアムは本格的稼動に入ります。
学問研究をめぐる環境は大きく変化しています。学問体系の多様化と細分化、学際的領域の普及と発展、調査環境の変化、学問の国際化、さらには新領域の創生など、実に多くの事柄に研究者は対応していかなければなりません。
われわれはこうした変化に対応しながら既存の研究機会の拡大に努め、また新しい可能性を拓く研究機会を創り出してしていかなければなりません。
このような研究環境の育成の一助となるよう、社会学系コンソーシアムは今後一層努力を積み重ねてまいりたいと考えております。何卒、コンソーシアムの活動にお力添えをくださいますよう謹んでお願いいたします。